寒い季節になってきました。 この季節は肌が乾燥します。 人間の皮膚の保水能力は18歳がピークで徐々に低下してきます。 何も手入れをせず無造作に扱っていると40歳手前でカサカサしてきます。 ご高齢の人に多いのですが、入浴時タオルでゴシゴシ洗うと、せっかくの垢が落ちて、含まれるセラミドという大事な保水成分を剥がすことになります。 入浴時は石鹸は手で泡立てて、そのまま手で洗うようにして、決してタオルでゴシゴシ洗ってはいけないのです。 時々乾燥してかゆいけど皮膚科で塗り薬を貰っても治らないと受診されますが、話を聞くと入浴時の注意点を聞かされておりません。 これではいくら外用薬を処方しても治らないのです。 当クリニックでは処方と同時に必ず入浴時タオルで洗わないよう説明しています。 そして適切に外用剤を使用し、肌の潤いを保つようにして下さい。 これまでヒルドイドという保湿剤が一番効果があるとして使用されてきました。 そして、最近のマスコミの影響でとにかく保湿は良いことだということで、特に目立った乾燥が無くても小児で毎日全身に外用するケースが見られますが、これはやり過ぎです。 保湿剤には化粧品と同じ成分が含まれており、使用を続けると将来化粧品による接触皮膚炎(かぶれ)を早く起こすため、勧められません。 と言うよりも絶対に行ってはいけません。 当クリニックでは前医で保湿剤を大量に処方されていたとしても診察の結果不要と診断したら処方はしません。 ご理解の上受診してください。 また国の政策でヒルドイドを先発品のまま処方することが困難になりました。 子供で処方すると受給券は使えなくなり、保険診療では追加で薬剤費の1/4を支払う必要が出ました。 そして老若男女問わず肌がガサガサしているが痒くない場合保湿剤ではなく、他の疾患で有効だった新薬が素晴らしく効果があります。 是非このような診療方針についてもご検討下さい。 |
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