尋常性乾癬という病気も最近増えてきたように思います。
有名なモデル3姉妹の方のカミングアウトでこちらも一時期脚光を浴び、ご存知の方も増えたと思います。 先ほど述べた掌蹠膿疱症に効果のある治療薬はこの尋常性乾癬で使う薬剤なのです。 この疾患も未だ原因不明と言われておりますが、近年のこの疾患の研究の成果は目覚ましく、HLA-Cw6,-B13,PSORS1といった原因と考えられるものも見出され始めています。 症状としては略全身に及ぶ銀白色の鱗屑を伴う紅斑であり、肘頭、膝蓋、頭部といった部位に好発し、爪を犯すこともあります。 また名称も少し変わりますが、膿疱や関節炎も伴うことがあります。 見た目にガサガサしたところが多く、ふけのようにポロポロ落ちて床が白くなる、見た目が悪くて人前で肌を見せられないと言った精神的苦痛を伴います。 しかし、実際に気を付けないといけないところは、見た目の事ではなく、実はこの疾患では高率に心血管系の異常を合併するということです。 具体的には心筋梗塞などの発症率が高いということです。 必ず職場、自治体の健康診断を受け、少しでも異常を自覚したら循環器専門医を受診してください。 治療も最近かなり進みました。 外用剤も新たに登場し、内服薬も一つ新薬が現れ、他にも生物製剤と言って注射製剤がいくつも登場しています。 もう少し値段が下がれば、そして副作用事例について報告がまとまれば、広く使われるようになると思います。 そして人によって合う生物製剤が違いますので、紹介する時は全薬剤が揃っている大学病院にご紹介しています。 最後に一つ紛らわしいものがあります。 乾癬型薬疹です。 これは、インターフェロン療法、βブロッカー、カルシウム拮抗薬といった薬剤で治療を受け続けていると起こる可能性がある薬疹です。 ずっと尋常性乾癬だと思って諦めていたら、これだった。 薬剤の変更中止で治ったということも多く経験します。 患者さんもただ諦めるだけでなく、皮膚科専門医を受診してよく説明を聞いてください。 また上記薬剤を処方している他科の医師も是非皮膚科医からの薬剤の調整の依頼に真摯に耳を傾けて欲しいと思います。 尚、皮膚科特定疾患Ⅰに分類されており、指導料がかかります。 |
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