暖かい日が増えてきました。と同時に、とびひと水いぼも増えてくる季節です。この二つの関係について書いてみます。
どちらも、皮膚が乾燥してバリア機能が不十分な時に発症します。ウイルスがつくと水いぼに、細菌感染すると、とびひになります。 まず水いぼですが、以前はプールで染る、と言われてきましたが、最近学会の公式見解が変わりまして、染らないとなりました。 ただし接触感染の可能性は残ります。 保湿剤を1日1回白く残るくらい外用し、数が多い場合は水イボに効果のある内服薬を服用すれば、数か月の内に取れます。 ただし、数が少なくて家族が可能であれば溶かす薬を処方して再診時に拭き取ると言う方法を行っています。 ですから、当院では水いぼの摘除は行っておりません。ペンレステープというものはあるものの、痛みと怖さは変わらないからです。 逆にとびひはプールに入れなくなりました。感染すると分かったからです。 とびひに関しては、しっかりした量の抗生物質を内服してもらうことにより、1週間で治し切っています。 やや重症例の場合、少し入浴時にひと手間かければ上手く治りますし、また最も重症の場合、菌が血液に入って高熱を出し、全身火傷の様にただれるケースもあり、その場合大学病院の小児科に入院目的で紹介することになります。 以下に学会の発表の抜粋を掲載します。 >日本臨床皮膚科医会は、日本小児皮膚科学会と合同で「皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解」を発表した。 保護者や教師らに向け、皮膚疾患のある小児がプールに入って良いかどうか判断する際の目安を示している。 学校保健安全法で第三種(その他の感染症)に指定されている4疾患について取り上げた。 伝染性膿痂疹(とびひ)は、治るまでプールは禁止。 水を介して感染することはないが、小児同士の接触で症状の悪化や感染の恐れがあるため。 伝染性軟属腫(水いぼ)は、プールに入ってもよい。 |
|