若林皮ふ科

若林皮ふ科|白井市富士、鎌ヶ谷の皮膚科

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蕁麻疹のお話

まず、蕁麻疹は内科ではなく、皮膚科が担当しています。
ここを間違えないようお願いします。
今まで内科で処方を受けているようなら、是非一度皮膚科専門医の受診をお勧めいたします。


蕁麻疹とは蚊に刺された様な赤い皮疹が盛り上がり、数時間で消えてまた別な部位に出来るといった特徴があります。出っ放しではありません。
蕁麻疹には機械性、寒冷、温熱、日光、水、薬剤性、食事性といった原因によっての分類がされています。

全ての説明をここに乗せられないので、私の得意な分野について書きたいと思います。
食事性は子供の頃の特に食物アレルギーで見られる症状です。
詳しいことはまた食物アレルギーの時に書きたいと思います。
ここでは特に薬剤性について知りえたことを書いてみたいと思います。
皆さん、例えば平均70歳くらいになって、ある時食物で蕁麻疹が出ると思いますか?
極論すればそんなことはありません。
例外としては、マダニに刺された後に起こるものや、エイに刺された後に起こるもの、猫に引っかかれた後に起こるものなどもないことはないのですが、基本的には高齢になって蕁麻疹が出たら、内服中の薬剤や、サプリメントを疑うべきです。
原因として最もよく目にするのが解熱鎮痛剤(NSAIDS)と呼ばれるもので、市販薬でもイブ、バファリンといったものが出回っています。
これは偏頭痛や生理痛で用いられているため、女性の慢性蕁麻疹の原因として多いです。
皮膚科でも薬理学的な勉強で、この辺りの薬剤で蕁麻疹が出ることを知っている先生はいるのですが、中止と指示しても、偏頭痛や生理痛で困っているから使うわけで、こっそり使ってしまいます。
私はこうした女性に中止を指示したうえで、偏頭痛や生理痛を漢方薬で治療しています。
そうして解熱鎮痛剤を使わないようにさせて、抗アレルギー剤で蕁麻疹治療をすると、改善する症例が多く見受けられます。

また降圧薬や胃潰瘍の薬の一部にも蕁麻疹を起こすものもあります。

しかし、それ以外の例えば甲状腺機能異常症のある場合に蕁麻疹がよく発症するのですが、これはどう治療しても症状が続いてしまいます。
このような場合には抗アレルギー剤を休薬出来ません。

どうしても難治でひどい症例では、最近は抗生物製剤を使用することになりますので、そうした症例は大学病院を紹介することになります。
一般的に慢性蕁麻疹に対し特効的な薬剤はありません。
症状が出たときのみ薬剤内服しても一生続いてしまいます。
処方された抗アレルギー剤を自己休薬せず、医師の指示があるまで連日内服とし、その後に一日おき、二日おき、三日おきと減らしていけば、廃薬になって完治ということもあり得ます。

蕁麻疹は奥が深いです。
全てが解るわけではありませんが、以上のことに当てはまるようなら是非皮膚科専門医にご相談ください。

さらに最近では皮膚搔痒症と言って膨疹は出ないのにとにかく全身痒いという方も見受けられます。
これは蕁麻疹ではなく、抗アレルギー剤が効かず、漢方薬治療が功を奏す場合もあります。

治療は抗アレルギー剤を初めは1ヶ月分、安定して長期内服必要な場合2か月分処方しています。

尚、皮膚科特定疾患Ⅱに分類されており、指導料がかかります。