若林皮ふ科

若林皮ふ科|白井市富士、鎌ヶ谷の皮膚科

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金属アレルギーについて

皆さん金属アレルギーと聞いて思い浮かべることは何でしょうか?
アクセサリーでしょうか?
どのような症状が出るか本当に知っていますか?
ここでは金属アレルギーで見られる皮疹やその原因についてお話します。

一番身近で見られるのがピアス皮膚炎と言われる、ピアスをつけたところが湿疹化することです。
しかし、実際に金属アレルギーが原因と思われる皮膚疾患は多彩です。
全身の湿疹病変の原因であることもあれば、扁平苔癬と言って、口唇などの粘膜付近や、口内炎などの原因になることもあります。

また掌蹠膿疱症だと思ったら金属アレルギーだったということもありますし、上で書いた通り、アトピー性皮膚炎とずっと言われて信じていたら偽性アトピー性皮膚炎と言うもので、実は金属アレルギーだったというケースもあります。

このような金属アレルギーを引き起こす金属は体のどこにあるのでしょうか?
一番身近で毎日その刺激を受けるのが歯科金属です。
これは年数と共に腐食してきます。
これを口腔粘膜から吸収することによって金属アレルギーを引き起こします。

また意外なところでは様々な食品にも含まれます。

他には白髪染めすることによって、まつ毛を整えるビューラーで、ピアスに腕時計にネックレス、ベルトのバックルもそうです。
予防接種ですごく腫れた場合も感染しているのではなく、防腐剤に含まれる金属によるアレルギーだったということもあります。

まず初めに気を付けるべきことは、ピアスの穴を開けて初めて使用する時です。いきなり、金属のピアスを使用せず、4週間くらいプラスチックやシリコン製の物にしましょう。そして、穴の部分がしっかり皮膚になってから金属製のものを使うようにするだけでも金属アレルギーの発症を遅らせることが出来ます。
次は日常生活の上で食事内容にも気を付けて、アクセサリー類を身に着けないなどです。

金属アレルギーは生活習慣を大きく変える必要があり、内服薬や外用剤では治りません。
良い状態を何とか維持出来るように心がけるのみです。


最近では歯科治療前に金属充填の可能性があると当クリニックに金属パッチテストの依頼が来ます。
金属パッチテストを行い、原因となる金属が判明したら、歯科に行って、その原因が含まれる金属を除去したり、使用せず治療するなど行われているようです。
特に金属アレルギーに造詣の深い歯科も紹介できます。
この作業によって今まで治らなかった皮疹がみるみる治っていくという経過を何例も経験しました。

やみくもに検査しても意味はありませんが、どうも皮膚科でアトピー性皮膚炎と言われたけど納得がいかないとか、一向に全身の湿疹が治らないなどの場合、一度金属アレルギーを疑ってみるとよいと思います。


北総白井病院では金属パッチテストは行っておりません。
尚16歳以上から検査は行えることになっています。