皆さん金属アレルギーと聞いて思い浮かべることは何でしょうか?
アクセサリーでしょうか? どのような症状が出るか本当に知っていますか? ここでは金属アレルギーで見られる皮疹やその原因についてお話します。 一番身近で見られるのがピアス皮膚炎と言われる、ピアスしたところが湿疹化することです。 しかし、実際に金属アレルギーが原因と思われる皮膚疾患は多彩です。 全身の湿疹病変の原因であることもあれば、扁平苔癬と言って、口唇などの粘膜付近や、口内炎などの原因になることもあります。 また掌蹠膿疱症だと思ったら金属アレルギーだったということもありますし、上で書いた通り、アトピー性皮膚炎とずっと言われて信じていたら偽性アトピー性皮膚炎と言うもので、実は金属アレルギーだったというケースもあります。 このような金属アレルギーを引き起こす金属は体のどこにあるのでしょうか? 一番身近で毎日その刺激を受けるのが歯科金属です。 これは年数と共に腐食してきます。 これを口腔粘膜から吸収することによって金属アレルギーを引き起こします。 また意外なところではコーヒーとチョコレートです。 この二つにはかなり多めの金属成分が含まれており、毎日コーヒーを10杯以上飲んでいたり、チョコレートを板にして3枚分など摂取しているようだと危険です。 最近では特に高濃度カカオ入りチョコレートが販売されており、これが誘因になることがあります。 これによって金属アレルギーが成立すると、次は身近にあるもので色々アレルギー反応を起こします。 例えば白髪染めすることによって、まつ毛を整えるビューラーで、ピアスに腕時計にネックレス、ベルトのバックルもそうです。 予防接種ですごく腫れた場合も感染しているのではなく、防腐剤に含まれる金属によるアレルギーだったということもあります。 まず初めに気を付けるべきことは、ピアスの穴を開けて初めて使用する時です。いきなり、金属のピアスを使用せず、4週間くらいプラスチックやシリコン製の物にしましょう。そして、穴の部分がしっかり皮膚になってから金属製のものを使うようにするだけでも金属アレルギーの発症を遅らせることが出来ます。 次は日常生活の上でコーヒー、チョコレート、紅茶、ココアを控え、アクセサリー類を身に着けず、髪の毛のカラーリングも行わないようにして革製品にも気を付けます。 それでも例えば湿疹が酷く出る場合は金属パッチテストを行い、原因となる金属が判明したら、歯科に行って、その原因が含まれる歯から金属を除去することです。 特に金属アレルギーに造詣の深い歯科も紹介できます。 この作業によって今まで治らなかった皮疹がみるみる治っていくという経過を何例も経験しました。 受診して金属アレルギーが疑われるようなら是非金属パッチテストを行ってみるべきです。 やみくもに検査しても意味はありませんが、どうも皮膚科でアトピー性皮膚炎と言われたけど納得がいかないとか、一向に全身の湿疹が治らないなどの場合、一度金属パッチテストを行ってみるとよいと思います。 また、最近では歯科から逆に依頼されること、皮膚科で金属パッチテストを行って来るよう指示されることもあるようです。 そのような場合にも是非ご相談下さい。 |
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